第1本目“KLUNKERZ / クランカーズ”(プログラム1・プログラム6)

内容はMTB創世記秘話って感じです。知ってるつもりで知らない話がわんさか出てきます。目からウロコという言葉はこの映画のためにある。MTBが好き。60年代、70年代のアメリカンカルチャーが好き。パイオニアスピリットが好き。このどれかに当てはまる人は絶対見るべき傑作です。ぼくは全部当てはまってるので大興奮でした。FarOut!
1930年代か40年代から既にバルーンタイヤで山道を走ってた人達がいたなんて、皆知らないんじゃないかな?それもGaryFisherとかが走ってMTBが生まれた山とされてるマウント・タムを走ってたんですよ!ビックリですよ。英語の聞き取りが間違えてるかと思って何回もリプレイしました。(本当に間違えているかも。映像を見せられても未だに信じられない。)
このムーブメントは1970年代初頭に消えてしまって、それを偶然、そんなことは知らずに引き継ぐ形になったのがリパックの連中だった。ほんまかいな!ゲイリー・フィッシャーやトム・リッチーなどMTBレジェンドだけが知る驚愕の事実!
1950年代に既にMTBを作っちゃった人がいた。それもクランカーより現在のMTBに近い物をです。この人はその後大学の社会学の教授になって、アメリカで初めての自転車専用レーンを作るのを進めたり、初めてMTBが生産されるのを財政面などで支えたのだそうです。なんとこの人がKlunkerzに登場してインタビューを受けているのです!会いたい!…と思ったら、この人John・Finley・Scottは撮影が終わった後亡くなられました。でも、この作品はそんな彼の貴重な話を残しておくのにギリギリ間に合ったわけです。なんてドラマチック!
最初のころのクランカーはシングルスピードでそれもコースターブレーキ。フロントブレーキは全く効かなくて無いも同然。外しちゃってた人も。それでスピードを落とすためにはスキッドさせて後輪を横に振ったりしてたのです。ピストみたい!ちなみに最高のコースターブレーキはイギリス製の「Morrow」。そんなメーカー聞いたこともない。
で、ギヤを着け始めたのは、シクロクロスのレースに同じような改造クルーザーを持ってきてたよく知らない連中の真似だったのですが、Gary達はその後彼らを見かけることは無く、「あいつら誰やねん」って感じだったそう。もちろんこの映画では彼らを見つけてインタビュー。
Garyやジョーブリーザーが所属してたロードレースチームは小さくて金も無いのに優秀で、ジョーは国内戦で10位、Garyは14位に入るようなロード野郎だったのだ。ヒッピーでは無かったのです。マ○ファナは吸っていたでしょうが。そういう細かいトリビアも満載です。

もうこれを見ずにMTBは語れない。インタビューがメインだからだるそう?とんでもない!!MTBで商売している人、MTBの事を雑誌などに書いている人は、必須科目として見とかんと落第というレベルの映画です。面白いかどうかなんて問題じゃない!そのうえ面白いんですよ!みんな見ろ!
純粋に何かが好きで夢中になって、そのスピリットがスタイルとなって大勢の人達に広がっていく、というパイオニアのお話。それを仕事としたときに、とっつきやすくして更に世界に広げていくのか、あくまで自分のスタイルは崩さずに進んでいくのか?って感じの大人の階段を上っていくジレンマの話、他人事ではなく見ました。今のピストやメッセンジャーの状況ともかぶっています。
自分のスタイルにこだわるトム・リッチーが、映画「ライト・スタッフ」(必見)のチャックイエーガーみたいでカッコイイ。それとは反対にビジネスに興味を持って成功させていくGaryが「王者」って感じでこれまたいい!インタビュー中心のドキュメンタリー映画ではありますが、男、いや漢のドラマを感じました。
BFFスペシャルレビュー
» pagetop